○ 公園樹木の剪定について

・ 昨日のTVに,須磨の事件に関連して「公園の樹木を剪定する」作業が報道されていました。

# 樹木が茂ると犯罪の温床になりそうで不安

という周辺住民の声に対応したそうです。そういう気持ちもわかりますが一般に「公園に樹木があると犯罪の温床になる」というデータがあるのでしょうか? (by 島田)

・ 具体的な印刷されたデータについては知りませんが、これ京都市の公園管理課の方に聞いたのですが、宝が池公園には「のぞき」や「痴漢」がいるそうです。「のぞき」は犯罪ではありませんが、「痴漢」がでにくくするために園路ぞいの下刈りを大々的にされたことがあります。そのおかげで、僕の注していたミヤコツツジやカラコギカエデが大幅に少なくなってしまったのですが、、、、、

 京都の第2疏水ぞいの道はいっぱい樹木が茂ってきて、女子学生によるとやはり「痴漢」が多いそうです。

 だいぶ前の話ですが、四手井綱英先生がモンキーセンターの所長をやってられたとき、時の天皇がこられるので、警備のために園路沿いのブッシュを刈り取って欲しいという依頼が警察です。しかし、先生はこれはセンターとして必要なものであって、そのような条件でも警備するのが警察の仕事であろう、ということで断られたそうです。

いろいろ矛盾がありますね。 (by 森本)

・ 私もごみ焼却工場の緑化に関して管理者から、木が茂ったら犯罪の温床になるのではないかと質問されたことがあります。この手の議論は日本だけではないみたいで、あるメーリングリストでカナダの学校カウンセラーから同様の質問がされていました。樹木ではありませんが、マンションの遊び場で居住者から死角になる場所ではベランダからよく見える場所に比べて犯罪が多いという調査結果朝日新聞で報道された記憶があります。場所によっては見通しをよくすべきでしょうし、どのような危険があるのかデータを分析する必要があるのかも知れません。

 しかし、相手の土俵に引き込まれていてはだめなような気もします。乱暴ですが、今の日本で、森公園で殺される人より自動車に殺される人のほうがずっと多いはずです。自動車が社会に不可欠に都市の森も社会に不可欠なんだ(たとえごくわずかの不心得者がいようと)と言うことにしています。 (by 夏原)

・ 神戸の例の事件において,樹木が切り倒されているのをテレビで見て,住民や神戸市はパニックにおちいっていると感じました.またその反面,その気持ちもわかるのです.しかし,仮に全部の木を切ったからと言って安心できるわけがありません.あのような類の事件が起こるのと,樹木が茂っているのとは因果関係はあまりないと思うのですが,事件の内容が内容だけに,何でもが危険に見えるのでしょう.伐採が最小限であることを望むものです.もし因果関係があるというのなら,町中に緑地をつくることの意義は根底からなくなってしまうのではありませんか.(by 松浪)

・ ほんと,京都市の公園管理課の方たちは,「落ち葉を掃除しろ」「鳥がうるさいから木を切れ」「虫が来るし,,,日陰になるし,,」・・・という苦情処理の毎日だそうです。(大阪府立大学にも来るので,事務局がすぐ木を切りたがる)[biotope 163]に書いた,四手井綱英先生のように,「緑は町に必要なんだから,そこで警備をやるのが警察の仕事や」とか,「じぶんのとこの前くらい自分で掃除しろ」と言える人がなかなかいないのですね。

  神戸市は昔,街路樹が大きくなって信号が見えにくいから切れという警察に対して,信号の方を変えろ,と言ったカッコイイ経歴はあるのですが,,, (by 森本)

○ 池への生物導入について

 「魚のいない池はつまらないなぁ」「メダカやカダヤシぐらい入れてもいいだろうに」といっていました。彼は今回のビオトープの池の生態系に非常に興味をもったようです。(by 島田さんの上司)

 このビオトープは基本的に土壌基盤と1次生産者の植物、枯れ木だけを整備して、動物の類は侵入を待つというスタンスできています。だから、メダカやカダヤシくらいはいた方がいいと僕も思うのですが、それら*だけ*入れる根拠はなにもないわけですから、ちょっと控えた方がいいと思います。 (by 森本)

 「〜のいない〜はつまらないから,++を入れよう」となると,各人の好みで無定見に導入するということになるのでは.ビオトープをつくった目的を再度考えるという基本線から導入を図るべきだと思います. (by 松浪)

○ 6月18日 土壌動物サンプリング調査および水質調査の結果(by島田)

・ 水質調査の結果

** 京都梅小路のビオトープを見学して **  

1.大まかなビオトープについてのイメージがつかめました。

 (設計等造園のセンスが不可欠ですね)

1.ビオトープ内の水の起源及び管理(循環経路)について

 これは日本庭園の水ですか?下水などの処理水ですか?それとも地下水ですか?これが最も気になりました。

1.池について

池1,2,4:外観は水面全域にウキクサが繁茂しており景観上好ましい状態とは言えません。ちょっと息がつまりそうですね。水質(DOの測定からいえば)はそれぞれ,4.3mg(48.2%)1.3(14.2),4.2(47.2)で,想像通り低濃度である。その理由として,1)(水面のウキクサによって)光が届かず光合成が不活発。2)水草のアレロパシー(低感作用)で植プラの増殖阻害。3)異化作用が同化作用を上回る,などが推察されます。

 これは特に池−2で顕著で,おそらく水生生物の生息は不可能だろう。池−1,4のDO濃度もほご限界に近い(大体40%が目安)。

池−3:外観は上記3池に比べて水面に隙間が認められ,4つの池の中では一番好ましい。水質は, DOは10.9mg(122%)で通常のいわゆる”池”の状態に近いと思われる。ただし,pH値に関しては,7.5で想像の割には低い(理由は不明)。

湿地:外観は,中央部に湧水現象が見られるが,それなりの工夫をしているのか?河床には付着藻類あるいは緑藻の繁茂が観察され,かなり栄養塩濃度に富んだ水質であると考えられるがいかがなものか?(窒素,リン濃度が高いだろう)。水質は,DOは6.8mg(76.7%)で通常の”池”(80〜100)に比べると若干低いような気がします。

** ビオトープ内池の管理 **

 (いわゆるクローズド・システムのひとつです)

水 源 → (付着藻類) → 池−1(ウキクサなど) → 池−2(ホテイアオイ等)

  ↑                                     ↓

ポンプアップ ← 砂濾過 ← ポンプアップ ← 沈降池 ← 池−n(アオミドロ)

 

** その他 **

 全体として,良好な水質維持のためには,水草と付着藻類の定期的(不定期)な回収が必要でしょう。脱水後(水分10%程度),焼却か肥料として処理するしかないでしょうね。

** 魚類について **

今のままの水質だとDO40%以下のところでは魚類の生存は不可能でしょうね。淡水魚類の卵はいわゆる付着卵(水草などに付着する)なので,これが鳥類などの脚に付着して,これらの池にも分散されてくるでしょう。だから,水質のよい池で,小さな魚類が自然発生的にでてくるかも知れません。

 

(池−1)(池−2) (池−3)(池−4) (湿地)
時刻
11:15
11:20
11:25
11:30
11:35
天気
曇り
曇り
曇り
曇り
曇り
日射
なし
なし
なし
なし
なし
気温(℃)
24.1
23.3
23.1
23.3
23
水温(℃)
19.3
20.1
19.6
20.3
19.8
透視度
30cm以上
20cm
30cm以上
30cm以上
30cm以上
色相
無色
淡緑色
無色
無色
無色
臭気
なし
なし
なし
なし
なし
濁り
なし
あり
なし
なし
なし
pH
6.85
6.40
7.50
6.72
6.96
DO(mg)
4.3
1.3
10.9
4.2
6.8
48.20%
14.20%
122%
47.20%
76.70%
過飽和

・ 土壌動物サンプリング調査の結果

 土壌はあいかわらず?堅くガサガサで,ツルグレンにかけると,土壌も全部落ちてきそうな雰囲気です(あ〜ソーティングが思いやられるなぁ)。ちょっとみたところ優占種は,オカダンゴムシ,ニッポンアカヤスデ,ゲジの3種のようです。このうち前2種は比較的乾燥に強いといわれているものです。これも昨年と同じようです。

○ 6月26日 日照量調査の結果 (by 森本淳子)

●5/31-6/26の26日間、日射量の測定をしました。

 1週間あたりに換算しています。

設置場所 SR(MJ/m2/week) RSR(%)

落葉1 23.81 59.1

落葉2 26.13 64.9

常緑1 13.89 34.5

常緑2 22.11 54.9

草地(オープン) 40.26 100.0

○ 6月26日 植生調査の結果 (by 中村)

 特にイネ科やカヤツリグサ科、シダ類等の同定には、前回同様北川さんに頼りっぱなしでした。また、今回から名城大の田中さんも参加していただきました。植物以外では、池の上を真っ赤なショウジョウトンボが飛んでいました。また、ヤンマ類の抜け殻もみつけました。

キク科     カンサイタンポポ,セイヨウタンポポ,アカミタンポポ,ノゲシ,

オニノゲシ,ヒメジョオン,アレチノギク,ヒロハホウキギク,ヨモギ, カワラヨモギ,タカサブロウ,セイタカアワダチソウ,ヨメナ, ブタクサ,ハハコグサ,チチコグサモドキ,ウラジロチチコグサ,フキ,ノボロギク,ダンドボロギク,オニタビラコ,トゲチシャ,コセンダングサ?,

アメリカセンダングサ?

アカネ科    ヘクソカズラ

ゴマノハグサ科 オオイヌノフグリ

オオバコ科   オオバコ

シソ科     トウバナ,イヌトウバナ,カキドオシ

クマツヅラ科  クサギ,コムラサキ

ミツガシワ科  ミツガシワ

ヒルガオ科   コヒルガオ

ナス科     イヌホオズキ,テリミノイヌホオズキ,ヒヨドリジョウゴ

セリ科     セリ,ミツバ,ウド

ウコギ科    ヤツデ

フウロソウ科  アメリカフウロ

カタバミ科   カタバミ,オッタチカタバミ,ムラサキカタバミ

ブドウ科    ヤブガラシ,ノブドウ,エビヅル

トウダイグサ科 エノキグサ

ミズキ科    ハナミズキ

アカバナ科   コマツヨイグサ,アレチマツヨイグサ?

マメ科     クサネム?,クズ,シロツメクサ,ムラサキツメクサ,ツルマメ?,

ヤハズソウ,ムラサキウマゴヤシ,ハギsp.

ネムノキ科   ネムノキ

バラ科     ヤブヘビイチゴ,テリハノイバラ,ノイバラ,ニガイチゴ

ユキノシタ科  ユキノシタ

ヤブコウジ科  ヤブコウジ

アブラナ科   イヌガラシ

ウリ科     カラスウリ,キカラスウリ

スミレ科    スミレ?

シナノキ科   シナノキ(もう一度標本で確認した方がいいかも)

タデ科     イタドリ,イヌタデ,オオイヌタデ?,ハルタデ?,ヒメツルソバ,

ミゾソバ,ギシギシ,アレチギシギシ,エゾノギシギシ

ナデシコ科   オランダミミナグサ,コハコベ

ヤマゴボウ科  ヨウシュヤマゴボウ

イラクサ科   カラムシ,コアカソ

クワ科     カナムグラ

ドクダミ科   ハンゲショウ

ラン科     ネジバナ

ヤマノイモ科  キクバドコロ,オニドコロ,ヤマノイモ?

アヤメ科    ヒメシャガ

ユリ科     オオバジャノヒゲ,ヤブラン,ギボウシsp.

ガマ科     ガマ,ヒメガマ

イネ科     アキノエノコログサ,エノコログサ,ススキ,シマスズメノヒエ,

タチスズメノヒエ,メヒシバ,イヌビエ,ナンカイヌカボ,コヌカグサ, クサヨシ,(シマヨシ),ヌカボ,ホソムギ,スズメノカタビラ,

スズメノテッポウ,オオアワガエリ,ヒロハウシノケグサ, ヒエガエリ,カモジグサ,アオカモジグサ,シバ,チヂミザサ

カヤツリグサ科 フトイ,シラスゲ,アゼナルコ,コゴメガヤツリ,メリケンガヤツリ,

ヒメクグ        

イグサ科    イ,ヒロハコウガイゼキショウ

ツユクサ科   イボクサ,ツユクサ

ウキクサ科   アオウキクサ

オシダ科    コウヤワラビ,オオベニシダ,ナンカイイタチシダ

メシダ科    クサソテツ

コバノイシカグマ科 ワラビ

トクサ科    トクサ,スギナ